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4月7日(日) 駅前繁華街 遊佐 「えーっと、ぼ? ぼ、ぼ、ボスディン菜。次は『な』な」 ブロント 「おいィ? ボスディン菜の読み方は『な』じゃなくて『さい』でしょう? その読み方、俺のシマじゃノーカンだから」 遊佐 「うるせえ、俺が『な』っつたら『な』なんだよ! さっさと次行け」 ブロント 「仕方にぃ。……な……な……な」 ブロント 「ナイトが持つと光と闇が両方そなわり最強に見えるグラットンソード」 遊佐 「…………『ど』だな」 遊佐 「……ドラゴンフィンガーで、次は『あ』だな」 ブロント 「おいィ!? 普通しりとりで伸ばす音が最後に来たらその前の文字をとるでしょう?」 遊佐 「うちのローカルルールでは言った奴が指定できるんだよ」 ブロント 「ならば仕方にぃ。あ、あー」 ブロント 「暗黒が持つと逆に頭がおかしくなって死ぬグラットンソード」 遊佐 「……『ど』だな」 「ドッジイヤリング。『ぐ』だ『ぐ』」 ブロント 「グリードシミターはフリーですがグラットンソード、最初の一本は主催者優先でお願いします^^」 遊佐 「おいィ!? お前さっきからグラットンソードしかいってねえじゃねえか! つうか主催者優先ってどういうこったよ! ペイナイト貰ったってうれしかねえよ! つうか『ぐ』なんだから素直にグラットンソードでいいじゃねえか!」 やや高度を下げた太陽からの日差しが暖かい。 つい1、2ヶ月前の寒さが嘘のようだった。 春休み最終日と日曜が重なったこともあってか、通りは家族連れや学生と思われる集団で賑わっていた。 編入試験から開放された俺たちはわずかな春休みはただだらだらと過ごしていたが、結局最終日となった今日も同じことを繰り返していた。 ブロント 「そんなシャウトでも俺程のカリスマがあればあっという間に18人集まるのは確定的に明らか」 そして今日も俺の相手をして何をするでもなく通りをぶらついているこいつの名はブロントという。 母親が外国人のハーフでブロントというのは本名だ。日本語が不自由なところが少しあるが、本人は日本から一歩も出たことはないそうなので生まれつきらしい。 何故だかわからないが去年学園に入学して以来一番の友人であり、何をするにも一緒だった。俺が特進科の編入試験を受けると告げたときも、『おいィ? 俺はそんなことは聞いてないんだが?』と口では言っていたもののあっさりと編入試験を受けると担任に申告していた。 俺が通うヴァナディール学園には普通科と特進科が設置されている。 普通科と特進科は同じ学園といえど道路を一つ跨いで別校舎となっているため、普通科と特進科の生徒が顔を合わせるのは通学路のみ。制服だけが同じの別の学校といってもいい。 普通科から特進科の編入試験はそれほど難しいものではないが、せっかくできた友人たちと別れ、すで友達の輪ができてしまっているだろうと思われる特進科の二学年に編入しようという奴はほとんどいない。 だからこそブロントが一緒に編入試験を受けてくれたことは素直に嬉しかった。 さらにそれほど難しくない編入試験も俺たちにとっては見上げても頂上が見えない程の壁であったわけで、高校一年の後半は死ぬほど勉強した。 つまり俺たちは親友でもあり戦友なのだ。 ブロント 「ん? あそこにいるのは柊さんじゃにぃのか?」 遊佐 「柊さん? 誰だそいつは?」 ブロント 「いくらお前でも特進科の癒し系代表ことヴァナディール学園の『姫』こと柊ましろの名前くらいは知ってるでしょう?」 ブロントが指差す方向には道の真ん中で立ち止まって不安げな表情している少女がいた。 遊佐 「しらんがな。でも、なんかきょろきょろして、挙動不審だな、何してんだろ? あ、なんか柄の悪い連中に話しかけられた。しかもおろおろしてるな。おーい柊さーん!」 ブロント 「おいィ!? 何いきなり話しかけてるわけ?」 遊佐 「え、なんか困ってそうだったからつい……あ、こっちこっちー!」 不意に自分の名を呼ばれキョロキョロしていたお姫様だったが、俺が手をぶんぶんと振りながら叫ぶとこちらにパタパタと駆け寄ってきた。 柊 「えっと……初めまして?」 ここまできて、通りで見知らぬ男に自分の名を呼ばれたことに気付き怪訝な顔をするお姫様。 俺は跪き頭を垂れた。 遊佐 「姫がご存知ないのは無理もないこと。私は二千年前、姫をお守りして散った名も無きナイトの一人です。此度生を受けたのも再び姫をお守りするためと確信しております。ここに我が剣を生涯姫に捧げることを誓います」 柊 「えええっ!? そんなこと急に言われても……ましろ、二千年前の記憶なんてないよう」 ブロント 「おいィ? ナイト役は俺にこそふさわしいでしょう?」 柊 「あれっ? よく考えてみたら二千年も前に騎士なんかいなかったよね? 騎士は中世ヨーロッパ発祥だから……」 姫は容姿だけでなくお勉学の方も優秀であるらしかった。この世は不公平だ。 柊 「ああ、もしかして君ってソウルメイトとかそういう人? それともまだ中二び……」 ??? 「ちょっと彼女ぉ。急にいっちゃうなんてひどいジャン」 プリンセスが何気ない口調でとんでもないレッテルを俺に貼ろうとしたそのとき、いかにもヤンキーですって男三人組が柊さんに声をかけてきた。めんどくさいので右からヤンキーA、ヤンキーB、ヤンキーCとした。ただし台車の摩擦は考えないものとする。 遊佐 「で、柊さんあんな道の真ん中で立ち止まって何してたの?」 柊 「え、あ、その……聖とはぐれちゃってさらに道に迷っちゃって、そしたら怖い男の人に声かけられちゃって……」 ふむ、さっきのレッテル貼りといい、本人たちを目の前にして怖い人発言といい姫は天然な人らしい。そうでなかったとしたらよっぽど肝が据わってる御人だ。 ヤンキーB 「俺たち怖くなんてないからさー。ちょっとだけでいいから一緒に遊ぼうよー」 ブロント 「柊さんはこの近くに住んでるでしょう? 相変わらずの方向音痴で全然経験が生きていない。俺は深い悲しみに包まれた」 柊 「あ、ブロント君。この面白い人のお友達?」 ブロント 「それほどでもない」 柊 「あ、そうなんだ。仲良いんだね」 ブロントと会話が成立しているところをみるとどうやらブロントとは顔見知りらしい。さっきの説明振りじゃまるで他人みたい感じられたのだが。 しかし、今までブロントに気付かないってどういうことだ? ブロントは存在感が薄いってタイプじゃない。この人の目は節穴というより節くれなのか。 ヤンキーC 「俺たち暇でさーちょっとでいいから付き合わない? 退屈はさせないって聞いてんのかオラ!」 もうキレたか。最近の若者はカルシウムが足りないのかすぐ切れるな。姫が怯えて、ただでさえ小さい体が丸まってもっと小さくなってるじゃないか。 遊佐 「牛乳飲めよ! 牛乳! 水増ししてない濃いやつを毎朝コップ一杯!」 遊佐 「だいたいそんな暇なら三人で仲良く豊島園でもいってろ。そんでもってジェットコースターに乗るたびに次誰が一人で乗るかじゃんけんでもしてろよ。んで帰りに『やっぱり遊園地は奇数で来ると微妙だよね』とか反省会でもしてくれ」 ヤンキーB 「はあ? 誰に向かって口キィてんだてめぇ。痛い目みないうちにさっさと消えな!」 ブロント 「あまり調子に乗ってると裏世界でひっそり幕を閉じることになる」 ブロントが一歩前にでた。そして俺をちらっと見た。ここは俺に任せろとその目は告げていた。 ヤンキーC 「俺たちとやろうってか? 面白い、俺らはケンカならここいらでは負けなしだぜ」 ブロント 「負けなしとか言ってる時点で相手にならないことは証明されたな本当につよいやつは強さを口で説明したりはしないからな口で説明するくらいならおれは牙をむくだろうなおれパンチングマシンで100とか普通に出すし」 そう言ってブロントは背中に背負っていたグラットンソード(彼の家に代々伝わる由緒正しいものらしい)を取り出して構えた。 ブロントの何が凄いって、銃刀法や1m以上の棒状のものは持ち込めないというお約束に違反するものを堂々と持ち歩いていることではなくて、あの長い台詞を句読点なしで一気にしゃべりきるところだ。 驚異的な肺活量を持っているに違いない。 ヤンキーC 「な、なんだこいつは」 いきなり刀剣をだされてビビッているヤンキー達。そして親切な俺は教えてやることにした。 遊佐 「ちなみにそれ、真剣だから」 ヤンキー三人組 「ひぃー。おまわりさーん!」 ヤンキー三人組は尻尾を巻いて逃げていった。たわいもない。 遊佐 「お怪我はありませんか? 姫」 柊 「ふぅ。怖かった。助かったよブロント君にえっと……」 遊佐 「名乗るほどの名はございませんが、いみじくも名乗らせていただきます、私、遊佐と申します姫」 柊 「その姫ってのはやめてほしいなぁ……。ましろはちゃんとましろっていう名前があるんだからさー」 遊佐 「じゃあまっしー。今暇ー? 俺たち暇なんだけどどっか遊びにいかなーい?」 柊 「あはは、遊佐君。態度変わりすぎだよ。でもほんとよかったぁ」 遊佐 「ん? さっきのやつらのこと? 確かに俺たちが偶然ここを通りかからなかったらまっしー、どうなってたかわかんなかったね」 柊 「えーっと、ちょっと違う。ましろじゃなくてあの人たちがってこと」 遊佐 「へ?」 ブロント 「柊さんに激しく同意。遊佐もすぐにわかるでしょう?」 ??? 「ましろーーーーーッ!! どこだーーーーッ!!」 騒音で騒がしい通りの中に一際大きな声が響いた。声のした方を見ると砂煙を上げながら何かが人混みを蹴散らしながら突進していた。 柊 「あ、聖ちゃーん! ここだよー!」 まっしーがあげた声に反応したのか、砂煙はこちらに向きを変え一直線に近づいてきた。 聖と呼ばれた正体不明の生き物 「ましろ、ここにいたか……」 遊佐 「でたな、グリーピングコイン」 グリーピングコイン 「なんだ、貴様は?」 赤い布を見せられた闘牛にのように突っ込んできたのは当然のごとくコイン状のものではなく意外にも女だった。そして背が高い。俺とおんなじくらいあるんじゃないか? その女は現れるやいなやまっしーと俺の間に立ちはだかり、挑発的な目つきこちらを睨んでいる。 遊佐 「たった今まっしーと生涯を共にすることを誓った遊佐といいます。よろしく」 背の高い女 「なんだと……?」 あ、ちょっと言い過ぎたかな? 生涯を共にってのはまだ早すぎたか。 遊佐 「やっぱさっきのはなしで。結婚を前提にお付き合いさせていただいてる遊佐です。よろしく」 ほんの数秒。静寂があたりを包んだ。滑ったかな? と思ったのは俺の大いなる思い過ごしだった。すぐにその静寂が打ち破られる。 背の高い女 「結婚だとっ? ましろと!? 英語でいうエンゲージかそれはっ? 巫山戯るなよ貴様! ましろと結婚できるなら私がとっくにしている! とりあえずぶっころ……」 柊 「あわわわ、違う、違うよ聖ちゃん。この人たちは迷子になってたましろを助けてくれたんだよ。落ち着いて! 落ち着いて聖ちゃん」 背の高い女がなにやらとてもとても物騒なことを言い出すと同時にまっしーが慌てて止めに入った。 しばらく背の高い女は『結婚』だの『法律』だの『タイ』だのとわけのわからない単語をつぶやいていたがまっしーがなだめているうち徐々に落ち着きを取り戻していった。 背の高い女 「すまない遊佐。私は月島聖という。ましろが世話になったようだ。私はましろのことになると多少我を見失うことがあるんだ。許してほしい。ただこれ以上ましろに近づくことがあれば斬るが」 遊佐 「いえ、全然気にしてませんから大丈夫です。ただ病院いったほうがいいと思いますよ? 精神系の」 ブロント 「だからいったでしょう? 月島とはあまり関わらない方がいいのは確定的明らか」 柊 「そんなことないよ、聖ちゃんはとってもいい人だよ」 遊佐 「ブロント、お前、月島さんとも知り合いなのか?」 聖 「知り合いも何も私とブロントは従姉弟だ」 柊 「それでましろもブロント君をしってるんだよ」 遊佐 「へぇー。まあどうでもいいけど、まっしーお近づきのしるしに番号交換しようよ。俺の携帯のアドレス帳、家族とブロントしか入ってなくて寂しいんだよね。赤外線できるやつ買ったのに今まで一回も使ったことないんだぜ……」 遊佐 「あれ、おかしいな? どうして目から汗がでるんだぜ……?」 柊 「えええっ!? 遊佐君、急になんで泣いてるの!? うん、交換しよう、交換しよう。だから泣かないで、ほら私も赤外線使えるから!」 遊佐 「ぐすん、でもやったことないから使い方もわからなくて……」 柊 「大丈夫、簡単! 簡単だから、まず設定選んで、外部接続選んで……。そうそう、あとは赤外線通信で名刺交換押せば……。ほら、できた!」 遊佐 「イヤッホォォ! 番号ゲットだぜぇ!」 聖 「遊佐、貴様……」 柊 「えっ? 嘘泣き?」 遊佐 「泣いてたのは嘘だけど、他は本当です。あれ、また目から汗が……」 聖 「どっちにしろ許さん! ちょっとそれ貸せ!」 ブロント 「おいィ!」 月島はブロントからグラットンソードをひったくり俺に向かって、 聖 「スウィフトブレード!」 うららかな春の昼下がり。 それににてもにつかわしくない俺の悲鳴が繁華街に響き渡たり、俺の高校一年の春休み最後の一日が幕を閉じた。 薄れ行く意識の中で『おいィ!? それは俺の持ち技でしょう?』『私の知ったことではないな』という意味不明な会話を聞いたのがその日の最後の記憶だった。
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この作品は性的表現が多分に含まれています。 過激な性的描写が苦手な方には不快となる内容なのでご注意ください。 名詮自性。 名実そのものの性質を表すという意味の仏教用語である。 これはその意味が示す通りに成長した一人の愚か者の軌跡。 ◆ 「ぶひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 「……ざぁ……こ……ざぁ……こ……」 暗闇の中、破壊されたパソコンや倒れた家具が散乱する一室。 その中央で少女に覆いかぶさった、人とは思えぬ悍ましい顔の男が豚のような嬌声をあげて絶頂し、身震いする。 短い間腹の肉を揺らした後、今度は小柄な体を持ち上げ、再び上下運動を再開する。 現在、男のなすがままになっている少女は生身の人間でも、そのような用途で使用される人形でもない。 ウイルスに適合できず、哀れ両親と同じようにゾンビになってしまった人好家の一人娘、人好心美。 その哀れな少女を玩具のように弄ぶ男の名はこの部屋の主、気喪杉禿夫。39歳無職の子供部屋おじさんであり、正常感染者。 震災の後、先程までプレイしていたエロゲーが強制終了してしまった事に激怒した禿夫は怒りの赴くまま、破壊の限りを尽くした。 そして、女王感染者を殺せばエロゲーが再開できると知った彼は怒りの矛先を変え、金属バットを持って家を飛び出した。 隣家に侵入し、二体のゾンビをミンチに変えた禿夫は、二階へ上がり、黒髪ツインテールの少女ゾンビ――人好心美を発見する。 白目を向いているが如何にも生意気そうなメスガキゾンビであったため、分からせる必要があると感じ、自宅に連れ帰った。 「ぶごぉ!ぶごぉ!ぷぎぃ!」 「まえ……がみ……すか……すか……」 再び醜い喘ぎ声を上げながら、行為に没頭する禿夫。 彼は終始気づくことはないが、他の正常感染者と同じように異能が発動している。 それは『身体強化』。感情により身体能力を強化する能力であり、強い感情を持てばトラックを横転させることすら可能になる。 そんな彼が極度の興奮状態のまま、行為に没頭するとどうなるか。 「ぷぎぃ!イグッ!まだイ゛グッ!」 「はぁ……げ……はぁ……」 何度目かの絶頂を迎える寸前、少女ゾンビの下半身が砕け、仮初の生命活動を終えた。 彼女の最大の不幸は最悪の男に純潔を散らされたこと。最大の幸運は愛する両親のもとへと逝けたことだろう。 【人好 心美(ゾンビ) 死亡】 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ゛!!ふざけるなああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 当然、堪忍袋の緒がミリ単位程もないこの男は納得できるはずがない。 怒りに任せて心美の頭を何度も踏みつける。そのたびに砕けた頭蓋や血液、脳漿が飛び散り、部屋をグロテスクに染める。 しばらくしてふぅふぅと息を吐き、心を落ち着けると、部屋の惨状を目の当たりにし、溜息をついて独り言ちる。 「……今度からはもっと優しくしてあげないと、女の子は壊れちゃうんだな……」 ◆ 気喪杉禿夫。 彼は親の愛を一身に受け、何一つ不自由することなく現在まで成長してきた男である。 彼は女児を拉致監禁し、強制性交等致傷罪に相当する犯罪を二度起こしたが、親のコネにより今まで司法によって裁かれずにいた。 しかし、二度目ともなると流石に父親も怒り、世間からの隔離という形で閉鎖的であった山折村へと押し込まれた。 流石にこの仕打ちを受ければいくら自己中心を擬人化したような禿夫でも反省するかに思われたが、そうはいかなかった。 両親を逆恨みしただけにとどまらず、女性へのストーキングや下着泥棒など数々の問題行動を繰り返し、役場や警察からの厳重注意を受けた。 その結果、禿夫の前科が露呈し、現在では山折村屈指の問題人物となった。 ◆ 「あああ……さっきのは中途半端で終わっちゃったから……収まらないんだな……」 ミネラルウォーターで洗い直した禿夫の剛直は未だ刺激を求めて滾りきっている。 禿夫の感情的にもやり残した感覚があり、するにしても何かオカズが欲しいところだった。 「そうだ。あれがあったんだな」 ゴミが散らばった部屋の一角を漁り、あるものを取り出す。それは水色の縞々模様の女性もののパンツ。 そのクロッチ部分に愛おしげに悍ましい口づけをする。 「ああ……アニカママのお口にマウストゥーマウス♡」 時は昼頃まで遡る。 珍しく外出して昼食を取ろうと商店街にタクシーで向かい、ハンバーガー店に入った時だった。 ふと視線を見やるとそこにはSNSやテレビでしか見たことのない天才美少女探偵――天宝寺アニカが一人で食事を取っていた。 禿夫の視線に気づくことなく、食事を終えたアニカは旅行カバンを置き忘れ、退店していった。 当然、禿夫がそれを見逃すことなく、彼女の旅行カバンを手に取り、食事もとらずに退店した。 それをアニカに届ける……なんてことはなく、狭い路地裏にてカバンを漁り、パンツを一枚拝借して短パンのポケットに入れた。 そして、彼女が尋ねるであろう役場へとタクシーで先回りし、入り口前でアニカと再会し、カバンを手渡しする。 『あ、ありがとうございます』 『ああアニカタン……だよね?おお俺と握手してくれると……』 『すいません用事があるので失礼しますさようなら』 限界まで引き攣った笑顔のまま、足早に役場の中へと去っていった。 間近で見た天宝寺アニカはまるで精巧な人形のように美しく、愛らしかった。 テレビや雑誌で見たときは可愛いだけの生意気な三次のメスガキとしか感じていなかったが、実物を見て一瞬でファンになった。 口癖である英単語を言葉の節々に挟まなかったのはきっと照れているからだろう。禿夫はそう結論付けた。 「……アニカママだけじゃ、ちょっと物足りないんだな。そうだ!」 再び部屋を漁って取り出したものはブラジャーとスパッツ。 禿夫の家から少し離れたところにある一軒家に住まう一家の姉妹――日野光のブラジャーと日野珠のスパッツだった。 つい一昨日、日野一家の不在を狙って盗んだものだった。 二人とも健康的とても可愛らしく、よく夢の中で自宅に監禁して自分の思うように弄んで楽しんでいたものだ。 だが、現実では山折圭介とかいう村長の息子というだけで二人を独占して姉妹ハーレムを楽しんでいる男がいて、もどかしい思いをしている。 無論、これは禿夫の主観であり、実際はそうではないのだが。 「アニカママとキッスをして、光ママのさくらんぼと珠っちのお口で挟んで……ぶっひーーーーーーーー!!!」 ◆ 「あ゛ーーーーー……そういえば今日か明日、役場の禿が誰か送るって、言ってたんだな……」 興奮もだいぶ収まり、居間のソファーで寝そべった禿夫は、夕方に電話で役場の職員が厳しい口調で何か言っていたことを思い出す。 辛うじて思い出せたことは誰かを禿夫の家へ送り、厳重注意するということだけだった。 今日か明日と言っていたが、時間的にはもう遅いし、明日だろう。 全く国家権力とは度し難い。自由に暮らしているだけなのに何が悪いのか。いっそのことあの禿共や山折のクソガキを―――。 「そそそうだ!!いいことを思いついたんだな!!」 せっかくVHが起こっているのだ。これを機にゾンビ化した役場の禿共や山折圭介を殺してヒーローになろう。 山折圭介や役場の人間に騙されていた日野姉妹をはじめとした女の子達、ゾンビに襲われているアニカを助け出してハーレムを作るのだ。 そうすれば、もう誰も自分を止められない。ハーレム王に、俺はなるんだな! 「ブモオオオオオオオオオ!!」 牛とも豚ともつかぬ雄叫びを上げて階段を駆け上がり、自室へと滑り込む。 頭には小型懐中電灯を二本括り付けた鉢巻。背中にはパンツ、ブラジャー、スパッツの三種の神器が入っているリュックサック。 左手には金属バット。そして、左手には――― 「ひひ必殺武器……!ショットガン!!なんだな!!」 人好邸の茂みに隠れていたショットガン――ブローニング・オート。そしてすぐそばにあった多数の予備弾をリュックサックに詰めた。 気分は邪悪で醜悪な男共からか弱い女性(美少女限定)を助け出すヒーローだ。 「とととりあえずここら一帯にいるはずの光ママと珠っちを助け出して、それからアニカママを助けるんだな。その後はぶひひひ……」 顔を醜く歪め、今後のことを妄想する。闘志と共に茶色の短パンが一層盛り上がりを見せる。 「まま待っているんだな!白馬の王子様が皆をたすけるんだな!ブモオオオオオオオオオ!!!」 雄叫びを上げ、凄まじいパワーと速さで玄関のドアを、ブロック塀を破壊し、禿夫は突き進む。 目指す未来が桃色だと信じて。 【B-3/気喪杉邸/1日目・深夜】 【気喪杉 禿夫】 [状態]:健康、興奮 [道具]:金属バット、懐中電灯付き鉢巻、天宝寺アニカのパンツ、日野光のブラジャー、日野珠のスパッツ、ブローニング・オート5(5/5)、予備弾多数、リュックサック [方針] 基本.男ゾンビやキモ男を皆殺しにしてハーレムを作るんだな 1.ロリっ娘、巨乳JK、貧乳元気っ娘みたいにバランス良く属性を揃えたいんだな 2.まずは美少女JCJK姉妹(日野姉妹)を探して保護するんだな 3.次は村に滞在してるアニカママを保護して×××するんだな 4.ゾンビっ娘の×××はひんやりして気持ち良かったんだな 023.そして訪れる最悪 投下順で読む 025.「いただきます」 時系列順で読む SURVIVE START 気喪杉 禿夫 Behavior observation
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解決編をラノで読む 問題編にもどる 5 その後ぼくたちは商店街の喫茶店で落ち合った。 ぼくと龍之介《りゅうのすけ》の前には、おどおどと辺りを気にしている野村《のむら》桃子《ももこ》さんがちょこんと居心地悪そうに座っている。朝顔《あさがお》くんは用事があるそうでどこかへ行ってしまった。彼がいると話が面倒なので、ちょうどいいのだが。 犯人は浅木《あさぎ》昭雄《あきお》。龍之介は野村さんに電話でそう告げた。そのまますぐこの場所を指定し、わけも話さず切ってしまったようなので、野村さんはとても泣きそうな、動揺したような表情をしている。『不安』という感情のときはああいう顔をすればいいのだろうか。龍之介はぼくにも黙ったままなので、わけがわからないままだ。 「あ、あの龍之介くん。あっくんがストーカーってどういうこと?」 運ばれたドリンクにも手をつけず、野村さんは身を乗り出すように龍之介に尋ねてくる。当然だろう、自分の恋人がストーカーだなんて、そんなことあるものなのだろうか。周りの客たちの視線を気にしながら野村さんは龍之介の言葉を待った。 キッと龍之介を見据える野村さんと対照的に、龍之介は目の前にあるメロンソーダを一気に飲みほし、どんっと勢いよくテーブルにグラスを置いた。そしてにやりと笑い、その緩い口を開く。 「答えは簡単だ。桃子ちゃんを護ってくれる勇敢な騎士《ナイト》様の浅木昭雄は、同時に桃子ちゃんを恐怖に陥れるドラゴンだったのさ」 龍之介のその言葉を聞き、野村さんは理解しがたいといった顔をしていた。ぼくもそれを聞いてもまったく意味がわからなかった。それはつまり―― 「自作自演……ってことか?」 その言葉をぼくが発すると、なぜか野村さんはびくっと肩を震わせた。 「そうだ。浅木昭雄の自作自演だよ。これは全部浅木昭雄が桃子ちゃんに好かれるためにやっていたことなんだよ」 「どういうことだ。なんでそんなことを……?」 「兄貴にはわかんねーだろうよ。人を好きになるってことはそういうことだ。相手に振り向いてもらうためにならなんだってできる。それが恋だ」 恋――か。それは確かにぼくにはわからない。感情のないぼくは、人を好きなる『恋愛感情』すら持っていないのだから。肉親である、自分の身体の一部のような存在であるアキ姉となら平気だけど、他人と手を触れたり、ましてや唇や身体を重ねるなんて想像するだけで吐き気がする。心の読めない相手のことを信頼なんかできるわけもない。 「お前はわかるってのか龍之介」 「わかるよ。俺は好きな相手のためなら殺されてもいいし、それを邪魔するやつはたとえ神様だろうが殺してやる。生憎、そこまで惚れ込める女とは出会ったことねーけどな」 龍之介は右耳の三連ピアスをいじりながら不敵に笑っている。いつも色んな女の子と一緒にいるけど、龍之介からすればそれは総てただの遊びなのだろう。性欲処理程度にしか思っていないのだろう。そんなこいつが誰かに殺されたいと思うほど愛せるのか甚だ疑問だが、今はそんなことどうでもいい。 「あ、あの。龍之介くん。全然わからないよ、キミが何言ってるのか……」 「恋人を疑いたくなる気持ちはよくわかる。だけど俺はストーカーを退治しろと桃子ちゃんに言われた。だから真実を暴いてやるさ。いいか、これは簡単な話なんだ。桃子ちゃんの部屋に盗聴器と盗撮カメラを仕込める人間なんて、それこそわずかしかいない」 「そ、それは……」 野村さんは何も言えず、じっと黙ってしまった。落ち込んでいるのだろうか。それとも恋人に対しての疑いを抱き胸が痛いのだろうか。それとも怒っているのだろうか。よくわからない顔をしている。もう少しわかりやすく感情を顔にだしてくれないと、ぼくには野村さんがどんな感情を今抱いているのか、想像もできなかった。 しかし盗聴器に盗撮カメラか。確かに十を超える数があの部屋には仕掛けられていた。あれを仕掛けることは容易じゃないだろう。あの部屋の死角を理解し、長時間あそこにいられる人物。ましてや女子寮に怪しまれずに入れる男といえば確かに限られる。 「そう、恋人の浅木なら桃子ちゃんと部屋にいる時、桃子ちゃんがトイレとか席を立った時にちょっとずつ仕掛けたりできるはずだ。盗聴器や盗撮カメラはいっぺんに仕掛けられたんじゃなくて、こうして機を見て徐々に仕掛けられたものだと俺は思う」 龍之介は楽しそうにテーブルを指でこつこつと叩き、じっとりとした目つきで戸惑い震えている野村さんを見ていた。黙っている野村さんを気にせず、淡々と自分の推理を展開していく。 「浅木昭雄がなんでそんなことをしてたかって? それはね、桃子ちゃん。キミのことが好きだったからさ。桃子ちゃんにストーカーが付きまとうようになったのは浅木昭雄と付き合う前だったよね。無言電話がかかってきたり、誰かに後ろをつけられたりしてたらしいじゃないか」 「え? はい……」 「それも浅木昭雄の仕業だよ。浅木昭雄は桃子ちゃんがボクシングの試合を見に来た時から一目惚れしてたんだ。だけど女に無縁だった暑苦しいボクシング部のあいつらが真っ当に女の子と接することなんてできない。そこで浅木昭雄は無い頭で考えたんだ」 「それが、自作自演……か」 「そうだ。兄貴も知ってるだろ、『泣いた赤鬼』の話を。それと同じように、女に不良を絡ませて、そこを助けに入って好感度を上げるなんて大昔からあるベタな方法だよ。でも、浅木昭雄にとっての“青鬼”である奥瀬《おくせ》裕也《ゆうや》もまた、桃子ちゃんのことが好きだった」 また野村さんはびくりと身体を震わせた。 そう、野村さんの恋人である浅木先輩の親友で、ボクシング部の同輩である奥瀬先輩もまた、野村さんに一目惚れをしていたのだ。同じ女を好きになった親友同士、そこにどんな思いが生まれたのか、それはぼくにはわからないだろう。 「そ、そんなことまで調べたんですか?」 「まあね。最初は桃子ちゃんにふられた奥瀬がストーキングの犯人だと思ったけど彼には無理だね。ともかく浅木は奥瀬が桃子ちゃんに告白したと知って、桃子ちゃんを手に入れるために奥瀬に協力を仰ぐことができなくなってしまった。そこで浅木は、自らが“赤鬼”であり“青鬼”であろうとしたわけだ」 「なるほどな龍之介。つまり浅木は、桃子ちゃんの気を引くためにストーキングをして怖がらせ、そして自分はあたかも姫を守る騎士のように振る舞っていたってわけか」 ぼくがそう言うと、龍之介はぱんっと手を打ち、「その通り」と笑った。 「ストーカーという恐怖で不安になってるときに、ボクシング部のエースなんて頼りがいのある男が傍にいてくれたら女の子としては心強いだろう。浅木もそう思ってたのさ。実際は最初から桃子ちゃんも浅木のことを好きだったわけだから、こんな小細工をしなければこんなややこしいことにはならなかったんだよ」 龍之介は馬鹿馬鹿しいといったふうにそう吐いて捨てた。最初からお互いのことを解っていればこんなことにはならなかったのだろうか。ぼくのように人の気持ちがわからない人間でなくても、こうして人と人はすれ違う。皮肉なもんだな。 「そんな、そんなわけないわ! あっくんはストーカーなんかじゃない!!」 「でも浅木以外に犯人はいない。彼以外にキミの部屋に細工で来た奴はいないはずだ。全部浅木昭雄の自作自演だったんだよ」 龍之介は大げさに手を上げ、ウェイトレスを呼びとめてメロンソーダのおかわりをしていた。そんな龍之介を、野村さんは酷く細い目で睨みつけていた。その瞳には涙が浮かび、唇をぎゅっと噛んでいる。ああ、あれはどういう表情なんだろう。怒りか、悲しみか、悔しさか、やるせなさか。それともその総てを露わした顔なのか。 ずっと信じていた恋人のその優しさが嘘だと叩きつけられて、野村さんの頭はぐちゃぐちゃになっているのかもしれない。 だがこれでストーカー騒ぎも収まるだろう。 ……いや、ぼくたちは大事なことを忘れてないだろうか。 「おい龍之介。勝手に浅木先輩を犯人にこじつけているが、彼の顔に火傷の痕はあるのか?」 「は? そんなの確かめるまでもなく浅木が犯人だろう」 「お前があまりに自信満々だったから思わず飲まれかけたが、お前の推理は少し暴論じゃないか?」 「俺が間違ってるってのか兄貴。じゃあ確かめてみようぜ!」 ぼくの言葉に少し苛立ったのか、龍之介はむっとしている。ああ、そうだ。こいつはバカだった。こんなやつが推理できるわけがない。ぼくはうんざりして溜息をついた。いつもそうだ、龍之介は気が早く、いつも結論を急いで失敗する。兄であるぼくがそれを止める必要があるだろう。 「火傷……何の話ですか?」 野村さんが不安そうにぼくたちの話しに入ってきた。そうか、そういえば彼女はぼくたちが襲撃されたことを知らなかった。さっき会った時も、ぼくたちの顔を見て顔を青くしていた。 「ああ、言い忘れてたけど俺たちストーカーらしき人物に襲撃されたんだよ。それでこのざまだよ。でもなんとか反撃に成功した。スタンガンで顔を焦がしてやったんだよ。だから犯人は顔に小さな火傷を負っているはずだ」 そう龍之介が投げやりに言うと、野村さんは少しだけ考え込み、そして再び顔を上げた。 「そ、そんなことがあったんですか……。昨日、あの後にあっくんが来てくれましたけど、どこにも怪我なんてしてませんでしたよ」 「え?」 その言葉に、龍之介はぽかんとした表情になってしまった。 龍之介は自分の推理を過信していたため、一番大事なことを忘れてしまっていたようだ。まったく、いつもこうだ。龍之介は何かを言い当てたことがない。 「そ、そんなわけない。浅木昭雄が犯人に決まってる!」 「で、でもでも。あっくんは本当に怪我してなかったんですよ」 「そ、そんなの――」 「やめろ龍之介。全部お前の早合点だ。お前の推理は穴だらけなんだよ。確かに浅木先輩が犯人ならすんなりと解決するが、それはそれだけの話だ。決定的じゃない」 ぼくがたしなめると、龍之介はちっと舌打ちをしてそっぽを向いてしまった。悔しいのか知らないが短気すぎなんだよ。そうやって怒ったり拗ねたりできることが、羨ましいなんて別に思わないけど。 「野村さん。それでも一応確認のために浅木先輩と会わせてもらえないかな。一応挨拶もしておきたいし」 ぼくたちはまだ一度も浅木先輩と顔を合わせたことがない。それなのにこうして犯人扱いするのは早計だろう。龍之介の推理も完全に間違いかどうかもまだ否定できない。少しでも疑いがあるのなら晴らすべきだろう。 「え、でもあっくん今日は前の試合の疲れで家で寝てるって……」 「“でも彼だってぼくたちみたいな連中と彼女がこうして会ってるなんてきっと良く思ってないよ。今後のことも相談したいし”」 「わかりました。あっくんの家に電話してみます。」 ぼくが|嘘の言葉《ペテン》をかけると、野村さんは渋々携帯電話を取り出して番号をぴっと押していた。軽いものだ。 「あ、あのあっくん? 私だけど――え? 誰あなた……」 電話先の人物に話しかける野村さんの顔がさっと青くなっていく。唇も震え、目を剥き、怯えた様子だった。明らかにまともじゃない。誰がその電話に出たんだ。不審に思いつつただ見ているだけのぼくとは違い、野村さんの異変に気付いた龍之介は身を乗り出していた。 「貸せ! なんの電話だ!」 龍之介は野村さんから携帯電話を奪い取り、自分の耳に当てて怒鳴り散らす。 「お、お前は誰だ! 浅木昭雄なのか!?」 ぼくは龍之介の顔に自分の顔を近づけ、一緒にその電話の声を聞き取ろうとした。 すると、電話の向こうからくぐもった声が聞こえてくる。 『浅木昭雄のようになりたくなければ、もう二度と野村桃子に近寄るな』 ぞくぞくするような低い声が耳を伝い、龍之介は冷や汗を垂らしていた。その声はまさしくぼくたちを襲撃したあのレインコートの人物と同じものだ。そして、その携帯の向こう側から「助けてくれ……」という苦痛にまみれた声がかすかに響く。 ぶつりと電話は切られ、ぼくたちはそこに立ちつくしかなかった。ぼくたちは顔を見合わせ、驚愕を共有する。 「兄貴……今のは……?」 「わからない。だけど浅木先輩に何かあったことは間違いないだろうな……」 ぼくが携帯電話を野村さんに渡すと、やはりそれを受け取る手はとても震えていた。ガチガチと歯を鳴らし、涙はもう洪水のように溢れている。 「あ、あっくんが、あっくんが……!」 「落ちついて野村さん。浅木先輩のところに行こう。場所を教えてくれないか」 泣いて震える野村さんを面倒だと思いつつそう尋ねると、彼女は目を吊り上げぼくに向かって水をぶっかけた。冷たい。 「あ、あなたなんでそんな冷静なの! あっくんが……あっくんが危ないかもしれないのよ!」 ぼくのブレザーは水に濡れ、じんわりと染み込んでいく。これは、怒っているのか。怒りの意思表示なのか。なんでこの女はそこまで怒っているのだろうか。意味がわからない。 ぼくが焦ったりあわてたりしても何の意味もないじゃないか。なぜ女という生き物はこれほどまでに感情的なんだろうか。理解できない。したくもない。気持ち悪い。 「おい兄貴、落ちつけ。そんなフォークを持ってどうするつもりだ」 龍之介の刺すような静かな声でぼくは我に変えた。いつのまにかぼくの右手にはファミレスのフォークが握られている。なんだこれ。ぼくが握ったのか。なんで。フォークの切っ先は野村さんの目に向いていた。野村さんはとても怯えた目でぼくを見ている。やめろ、そんな目でぼくを見るな。 「……野村さん。早く浅木先輩のところへぼくたちを連れて行って下さい」 ぼくはなんとか表情を取り繕い、頬の筋肉を動かして笑顔を作る。満面の笑みだ。きっととても優しい笑顔ができているはずだ。だが野村さんは身体が固まって動けないようだった。それを見かねた龍之介が、野村さんの手を引っ張る。 「桃子ちゃん。ほら、深呼吸して。さあ行こう」 龍之介は無理矢理野村さんを外に連れていく。ぼくは仕方なくここの代金を払い、その後を追った。思わず握っていたフォークを財布と一緒にポケットに入れてしまったことに後で気づいた。 意外にも浅木先輩が住んでいるところは寮でもアパートでもなかった。 小さいがしっかりとした作りの一戸建てだ。両親と住んでいるのだろうか、と思ったが、どうやら借家らしい。だけど学生の一人暮らしで家一つ借りるなんて贅沢だな。聞いた話では浅木先輩は結構いいとこのぼっちゃんらしい。それでいて好男子で彼女がいてボクシング部のエースで、奥瀬先輩のような親友がいる。なんとまあ羨ましいことだな。まったく最高だね。火をつけたくなるね。 野村さんは狂ったようにチャイムを何度も何度も押し、扉をどんどんと叩いて中にいるはずの浅木先輩を呼んでいた。 「あっくん! あっくん返事して!」 喉が破れるのではないかと思うくらいにそう叫んでいたが、中からはなんの返事もない。もしかして家にはいないのだろうか。もうどこかへ連れ去られたのだろうか。しかしドアも綺麗な作りだな。庭もある。あっ、ツバメの巣があんなところに。 「兄貴、こっちだ!」 龍之介の声が聞こえ、ぼくはちらりとそっちを向く。龍之介は庭に踏み込み、そこに置いてあった金属バットを手に取っていた。 「何してるんだ龍之介。今から野球でもするのか。ぼくはスポーツなんてやりたくないぞ。そういえば子供の頃よく賢治兄さんとキャッチボールをしたなぁ。なあ龍之介、覚えてるか?」 「今はそんな話してる場合じゃねえだろ兄貴! ガラス割って中に侵入するぞ!」 なにを慌てているのか、龍之介はそう怒鳴りながら、大きな窓のガラス戸に向かって金属バットを振り下ろした。しかし強化ガラスのようで一度や二度では中々割れなかった。それでも龍之介が何度もバットを叩きつけるうちにひびが入り、そのひびに向かって龍之介は足を振り上げ、足の裏を全力で蹴りつけた。 すると激しい音を立ててガラスは割れ、破片があたりに飛び散った。その破片が龍之介の身体に刺さり、傷を増やしていくが龍之介は気にしていないようだった。 「痛そうだな」 「残念ながら痛くねーよ。おい兄貴、中に入るぞ」 その言葉に従い、ぼくは青い芝から土足で浅木先輩の家に侵入していく。土足でもなければ砕けたガラスの破片を踏んでしまうかもしれないから仕方ないだろう。 「ああ、野村さん。キミはここで待っていたほうがいいかもしれないよ」 立ちすくむ野村さんに、ぼくはそう言った。だけど彼女はふるふると首を振り、「私も行きます」と涙ながらにそう呟いた。 「そう、じゃあ気をつけてね。ぼくたちの後ろにちゃんとついてきなよ」 ぼくはどんどん中へ進んでいく龍之介のあとをついていく。じゃりじゃりとガラス片を踏む感触が足を伝い、柔らかなカーペットの上を歩いて行く。窓から上がったそこはリビングで、大きなテレビと、大きなソファが置いてある。 家の中はしんっと静まり返っており、まるで何年も人が住んでいないのではないかと錯覚するほどに寂しい雰囲気だった。だけど確かにさっきまで人がいたようで、飲みかけのお茶が入ったコップや、脱いでそのまま放置されている衣服が転がっている。どうやら少なくともさっきまで誰かがここにいたのだろう。 しかしリビングだけでぼくのアパートよりも広いじゃないか。こんなところに一人で住んでいるのか。逆に息がつまりそうだな。 「兄貴、俺から離れるなよ。もしまだストーカーが中にいるなら、この間みたいに襲ってくるかもしれない」 そう言って龍之介はポケットからスタンガンを取り出してぼくに投げてよこした。それを落とさずになんとか手に取ると、ずっしりとした感触が手に広がる。違法改造のスタンガン。まともな人間相手なら後遺症が残りかねないほどの電圧を流せるものだ。ぼくは暴力沙汰が苦手なので、できるだけ使わないようにしよう。暴力なんて野蛮な行為は論理的じゃない。そんなのは賢治兄さんや龍之介に任せておけばいい。 「どこだ、浅木昭雄でもストーカーでもいい、誰か返事しやがれ!」 龍之介は大声で叫び、金属バットで壁を叩きながら部屋を見て回った。人が隠れていないかあっちこっちをひっかきまわし、蹴り飛ばし、家の中はぐちゃぐちゃになっていく。 「はぁ……はぁ……。ちっ、どうやら一階には誰もいないみたいだな。となると――」 龍之介は階段を見つめる。二階、か。 「もしかしたら寝室で眠ってるかもしれません……」 野村さんは恐る恐る龍之介にそう言った。恋人の家を荒らし放題にされてかなり衝撃を受けているようだ。 「ふうん寝室ね。桃子ちゃんと浅木先輩の蜜部屋に俺たちが入っていいのかねぇ」 龍之介は何を想像しているのかニヤニヤと笑い、野村さんは少しだけ顔を赤らめうつむいている。 「いいから上に行こう龍之介」 「へいへいわかりましたよ」 ぼくたちは団子状態になりながら一段一段階段を上って行く。二階の部屋はいくつもある。まったく、なんでこんなに部屋がいるんだろうか。理解に苦しむ。ぼくたちは野村さんが指さした浅木先輩の寝室の扉の前までやってきた。龍之介はもうノックすらせずにドアノブに手をかけ、開けようとした。だが、扉には鍵がかかっているようで、ガチャガチャとノブを回しても一向に扉は開かない。 「ちっ、兄貴、桃子ちゃん。下がってろ」 龍之介はがっつりと扉を何度も蹴り、やがてその扉はめりめりと音を立てて無理矢理こじ開けられた。中はカーテンが締め切られているのか、薄暗く、ひんやりとした空気が流れ込んでくる。まるで地獄の蓋が開かれたかのような冷気。そして中からは「うう」といううめき声がかすかに聞こえてくる。 「あっくん!」 野村さんがそう叫び、ぼくたちを押しのけて部屋の中に入っていく。 ぼくも龍之介も部屋の光景を見て声を失う。 部屋の中には確かに浅木先輩がいた。 だけど浅木先輩のその端正な顔は苦痛に歪み、滝のような汗を噴き出してうめいている。 それもそのはずだ、恐るべきことに浅木先輩の両手両足はあり得ない方向にすべて折れ曲がっていたのだから。そして口にはティッシュを丸めたものが大量に突っ込まれ、顔じゅうに殴られた痕がある。激痛のあまり涙をだらだらと流していて、ぼくたちを見て驚いたような安堵のようなよくわからない表情をしている。 彼の顔のまわりには小さな白い粒のようなものが転がり、赤い液体が床に零れている。あまりに非現実な光景なため、それが彼の折れた歯と、口から溢れ出た血であることに気付くまで少し時間がかかった。 「へへ、こりゃえげつねえ。四肢も、歯も全部折られてるのか。痛いだろうな。きっとすげえ痛いんだろうな」 龍之介はそんな浅木先輩を見て羨ましそうにそう呟いていた。 「あっくん……酷い……だれがこんなことを……」 恋人の無残な姿を見て、野村さんはどうしたらいいのかわからないようにただ涙を流し、狂ったように彼の口に突っ込まれたティッシュを吐き出させていた。そんな野村さんの白い指は彼の地で汚れ、その手で涙を拭おうとするから彼女の顔は血と涙で酷い事になっている。 「どう思う兄貴」 「ん、何がだ?」 龍之介が考え込むような顔でぼくを見ていた。 「この部屋は鍵がかかってた。中から錠を下ろすだけのやつみたいだから外からはかえないよな?」 「ああ……」 「じゃあなんでこの部屋には鍵がかかってたんだ」 「浅木先輩がかけたんだろ。ストーカーに襲撃されたからこうしてここに籠ってたんじゃないのか?」 「腕も足も歯も折れてるのにか? 無理だろ」 確かに。 じゃあ誰がこの部屋に鍵をかけたんだ。 いや、もしかしてまだこの部屋にストーカーがいるんじゃないのか。 ぼくがそう考えていると、浅木先輩は必死に何かを訴えるように口を動かしていた。 「うへ……うへ……」 歯が折れているせいなのか何を言っているのかよくわからない。間抜けな絵だ。 「どうしたのあっくん。もう大丈夫だよ。今救急車呼ぶから――」 野村さんがそうなだめていると、浅木先輩は必死に目線を上へ向けていた。 「うへえ……うへ!」 上―― そう、浅木先輩は「上!」と叫んでいたのだ。 それを理解したぼくたちは、ばっと天井を見上げた。 そして、そこにはまるで、蜘蛛のように高い天井に張り付いている男がいたのだった。 レインコートに身を包み、マスクをして、鷹のような鋭い眼だけが僕たちを見下ろしている。 「きゃあああああああああああ!!」 恐怖と動揺のあまり野村さんは泣き叫び、ぼくも龍之介もそこから視線を外すことができなかった。だがレインコートの男は容赦なくぼくたちの眼下に飛び降りてくる。 どしんとその男は着地し、ぼくたちをぎろりと睨む。男の後ろにいる野村さんはがたがたと震え、瀕死の浅木先輩に抱きついている。 「手を引け、と言ったはずだが」 マスクの下からくぐもって聞こえる低い声でそう言い、背がぼくや龍之介よりも高いせいで、天井から降りてきた今でも見下ろされている形になっている。 ぼくはこんな状況でも『恐怖』を覚えなかった。ただぼんやりと目の前の光景が自分とは無関係のもののような気がしていた。 だが龍之介はそうではないようで、苦々しい顔をして負けずとその男を睨み、金属バットを強く握っている。 「手を引けだあ、このストーカー野郎……」 龍之介は金属バットを両手で振り上げ、そのレインコートの男に向かって突貫を開始した。無茶だ。相手は恐らく異能者、非能力者が相手になるものか。 「死ねストーカーやろおおおおお!」 雄たけびを上げて龍之介は男に向かって金属バットを振り下ろす。 金属の反響音が部屋に響き、ぼくの耳を刺激する。しかし振り下ろされた金属バットを、その男は腕で防御し、金属バットは完全に折れ曲がってしまっていた。 「ちっ――化物め」 腕で金属バットを防いだ男はまったく平気なようで、そのまま腕を薙ぎ、金属バットを弾き飛ばした。音を立てて金属バットは床を転がっていく。 「よせ龍之介!」 「うるせえ! こんなこけにされて下がれるかよ!」 龍之介はポケットからサバイバルナイフを取り出した。こいつは一体いくつ凶器を持ってるんだ! 「ぶっ殺してやる!」 龍之介はナイフを振り回すが、レインコートの男はそれを上半身の動きだけですべて紙一重で避けていく。あれは、ボクシングのフットワークに似ている。 格闘の素人である龍之介では分が悪い。だがぼくはその二人の戦いに割って入る事はできない。 「避けるんじゃねえ!」 男の動きをなんとか読んだ龍之介は、ナイフを男の心臓向けて突き出す。だが、男はあろうことかばっと手のひらでそれを受け止めたのだった。 「なっ――」 ナイフの切っ先をぎゅっと握り、龍之介が必死で引っ張ってもぴくりとも動かない。圧倒的な力の差。異能者と非能力者。そこには絶望的な差がある。 「よせ龍之介、逃げるんだ!」 「うるっせえええええ!」 龍之介は必死にナイフを引き離そうとするが、レインコートの男は龍之介の腕を逆に引っ張り、そのまま思い切り腕を押していく。そして―― 「え……?」 龍之介の腕はレインコートの男によって自分の腹に押しつけられていた。 そして、自分の手に握られているナイフで、自分の腹を刺してしまうことになっていた。 ざくりとナイフは龍之介の腹部に吸い込まれるように深く突き刺さっていく。後ろで見ていた野村さんが大声で叫び、ぼくもそれを茫然と見ているだけしかなかった。 「てめ」 龍之介は何かを言いかけたが、レインコートの男はそのまま龍之介のシャツの襟をぐっと掴み上げ、そのまま全力で部屋の窓に向かって龍之介を放り投げた。人間一人を片手で投げ飛ばすなんて普通の人間ではありえない。ぼくは身体系能力者の圧倒的なまでの純粋な暴力に、ただ立ちつくすしかなかった。 窓ガラスに叩きつけられた龍之介はそのままガラスを突き破り、二階の窓から落ちて行ってしまったようだ。どすんという激しい音が響く。ナイフで腹部を刺され、二階から落ちてしまっては龍之介もただでは済まないだろう。下手したら死んでるかもしれない。それでもぼくは恐怖も怒りも悲しみも湧いてはこない。ただぼんやりと、ああ、死んだのかなって考えるだけだった。 でもどうすればいいのだろうか。 このまま走って逃げるか。しかし間違いなくそれでも追い付かれるだろう。 ぼくは手に持っていたスタンガンのスイッチを入れる。青い火花が音を立てて光る。やるしかない。 ぼくは無言でレインコートの男に向かってスタンガンを叩きつけようと駆けるが、男は素早くぼくの身体に突進してきた。 「――っ!」 ぼくの手からスタンガンは離れ、どこかへと飛んでいってしまう。だがそんなことを気にしている余裕がないほどの衝撃がぼくの身体に走る。めしめしと肋骨が折れ、内臓が傷ついていく。激しい痛みがほんの一瞬の間に頭に流れ込んでくるようだった。 その突進をまともに受けたぼくは壁に激突し、その壁すらも激しく砕けるほどに吹き飛んでしまう。壁を突き抜け廊下に転がり落ちたぼくは、もう指一本も動かせないほどにめちゃくちゃに身体を壊されてしまっているようだった。 なんでぼくがこんな目に会わなければならないんだろうか。 ぼくはただ龍之介の手伝いをしていただけだ。 ただのストーカー退治をするだけの話だったのに。 なんでこんな痛い思いをしなければならない。 理不尽じゃないか。 理不尽だ。 「まだだ。まだ終わらない。来い」 苦痛で気絶しかけたぼくを起こすように耳元で男は囁いた。 ぼくの襟首を引っ張り、倒れているぼくを無理矢理引きずって行く。なんだ。どこへ連れていくつもりなんだ。 いやだ。痛いのはもうごめんだ。もう眠らせてくれ。 殺せ。 生きてたって苦痛なだけだ。早くぼくを殺してくれ。 気絶もできないぼくは、まるで現実逃避をするかのように頭の中がマヒし、夢をみているかのように奇妙な映像が頭に浮かんでくる。 もしかしたらこれは走馬灯というものなのかもしれない。 そうだとするならば、いよいよぼくは死ぬのだろう。 目を閉じるぼくの瞼の裏に、母さんの姿が浮かんでくる。相変わらず母さんの顔は薄ぼけているが、その澄んだ小鳥のような声だけがレコードのように再生されていく。 死にたい。そうぼくは母さんに言ったことがある。無表情でそう言うぼくを見て、母さんはとても悲しそうな顔をしていた。あの時のぼくは悲しみと言う概念すら理解していなかった。だから母さんがそんな顔をしていても悲しんでいたなんて思いもしなかった。 でも母さんはぼくの髪をくしゃくしゃっと撫で、ゆっくりと言い聞かせるように言葉を紡いでいった。 あなたたち五人は、|私とお兄ちゃんの子供《・・・・・・・・・・》なんだから。絶対に死ぬなんて言っちゃ駄目よ。精一杯生きて。どんなに辛くても―― だからぼくは生きようと決めた。母さんを泣かせないために。 だけどその母さんも死んだ。だからもうぼくに生きる理由なんてないんだ。でも、ぼくが死んだらアキ姉はどうなるんだろうか。悪意を理解できないアキ姉を、誰が護るんだろうか。 ただひたすらアキ姉の顔が頭に浮かんでくる。穢れを知らない天使のような笑顔でぼくをいつも抱きしめてくれるアキ姉。ぼくが死んだら悲しんでくれるかな。ああ、悲しいってどんな気持ちなんだろう。 アキ姉のためにもぼくは生きなきゃいけないだろう。どれだけ呪われていても、狂っていても、壊れていても。 ぼんやりと夢と現実を行き来するぼくをレインコートの男は容赦なくぼくを廊下に引きずりまわし、階段を降りていく。がんがんと階段の角がぼくの背中を打ちつけていく。痛い。痛い。 廊下を降り終わったレインコートの男は、ぼくを引きずりながらキッチンへと向かっていった。何をするつもりなんだ。がちゃがちゃと食器棚をいじくりまわす音が聞こえる。そしてしゅらっという背筋を冷やすような金属の音が耳に届く。 振り返った男の手には、包丁が握られている。 男の目と同じようにギラギラと輝いているように見えた。 「な、なにを……?」 ぼくがなんとか声を絞りだして尋ねるが、男は答えない。ぼくの襟首を掴んでいた手をぱっと離し、ぼくはフローリングの床に頭を打ち付けてしまう。 そんなぼくを男は包丁を握りしめながらただ見下ろしている。ゆっくりと膝を下ろし、ぼくの身体の上に馬乗りになり、ぼくの右手を握りしめ、無理矢理手のひらを広げさせていた。何をする気なのか、なんとなく察しがついた。 男はぼくの手のひらを床に押し付け、包丁をその人差し指に向かって振り下ろした。 「あああああああああああああ!!」 信じられない痛みが指に走り、血が飛び、そして指が第二関節部分から飛んで行くのをぼくはスローモーション映像を見るかのように眺めていた。痛みのせいで喉が破けるほどの叫びを上げるが、レインコートの男はまったく動じず淡々と切り落とされた指を眺めていた。 切られた指先からは洪水のように血が流れ、床は鮮血に染まっていく。どくんどくんと脈うち、指から火が出ているみたいに熱い。身体から離れた指は、まるでトカゲのしっぽのように見えた。 「痛いか。この痛みを記憶しろ。そしてもう俺たちに近づくな」 低い声で脅しつけてくるレインコートの男。 それでもぼくは恐怖を感じることができなかった。ただ痛みが脳を支配しているだけだ。 ぼくが黙りこくっていると、今度は中指に包丁を当てていた。 まずいな。このままじゃぼくの指は全部なくなってしまうんじゃないか。 奴にボクのペテンはきかない。奴はぼくの話を聞く気がないからだ。 いや、まてよ。ならこいつの興味の引く話しをすれば、あるいは―― 「“ぼくは、お前が誰か知っている!”」 なんとかそう叫ぶと、レインコートの男はぴたりと包丁を持つ手を止めた。もう少しで骨が切断されるところだった。 「…………」 「“あんたは、なぜこんなことをする。復讐か? こんなことをしても何の意味もないよ”」 「お前に何がわかる……」 しめた。奴はぼくの言葉に耳を向けている。痛みで集中できないが、ぼくは必死で今回の一連の出来事を頭で整理していく。 そうだ。 恐らくこのレインコートの人物はあの人に間違いない。 もしその通りならなぜこんなことをする。なぜだ。考えろ。考えるんだ。 頭の中に昨日の出来事が浮かんでくる。そしてふっと頭の中でパズルがかちりとはめ込まれる音がした。 「そうか、そうなんだな……」 「何を呟いている」 ぼくはレインコートの男を睨み、ゆっくりとその言葉を放つ。 「ストーカーの正体は――――だ」 その名前を口にした途端、男の目にはっきりと動揺の色が映ったのをぼくは見逃さなかった。だが、その目はすぐに殺意に変わり、包丁を振り上げている。 「それを知られた以上、俺はお前を生かしてはおけなくなった……」 だが、ぼくにはその一瞬の動揺で十分だった。 ぼくはポケットに手を入れ、その中にあるものを握りしめる。ぼくは顔に向かって振り下ろされた包丁の切っ先を紙一重で避け、がつんと床に包丁が刺さる。直撃は免れたが耳は切り裂かれてしまい、鋭い痛みが走った。 だけどそんなことを気にしている暇はない。ぼくはポケットに突っこんでいた右手と、握った|それ《・・》を取り出し、レインコートの男の眼球に向かって思い切り突き刺した。 「あががあああああああああああああああああああああああ!!」 男は絶叫を上げ、手に持った包丁を落とし、両手で顔を押さえていた。彼の右目には、ぼくが突き刺した|フォーク《・・・・》が伸びている。 そう、思わずファミレスから持ってきてしまったフォーク。これがなければどうなっていたかわからなかった。男は突然右目の視力を奪われたことと、その激しい痛みでパニックを起こしている。だがそのおかげでぼくから身体を離し、痛みから逃れるようにあたり構わず暴れている。 ここぞとばかりにぼくは重い身体を無理矢理起こし、切り落とされた指を持って走った。 途中何度か転びそうになったが、なんとかふんばり、玄関に向かって走る。この家から出ればあとは誰かが駆けつけてくれるに違いない。廊下を走り、すぐに玄関が見えた。だが後ろからは、 「許さねえ! 絶対に殺してやる!!」 という叫び声が聞こえ、どしどしと足音が聞こえる。まずい。すぐに追いつかれる。そうすれば確実に殺される。 ぼくは必死に手を伸ばし、玄関の扉に手をかける。だが扉は開かない。そうだ、鍵がかかっているのか。ぼくは錠を下ろすのをもどかしく思いながらもなんとか扉を開け放った。すぐ後ろにあの男の息が聞こえてくる。 走れ。 逃げろ。 玄関から飛び出ると、真っ赤な夕日が目に差し込んできた。それは血のように本当に真っ赤だった。 そして、門の向こうからありえない物が迫ってくるのをぼくは見た! |それ《・・》は凄まじいスピードでぼくたちに向かって直進してきていた。危険を感じたぼくは咄嗟に横に飛びのいて庭の芝生に倒れこむ。 そこには二階の窓から落ちていった龍之介の姿はない! ぼくがばっと後ろを振り返ると、|それ《・・》は轟音を上げて驚愕し立ちつくしていたレインコートの男と激突する。 |それ《・・》は車だった。 そう、自動車がこの家に飛び込んできてレインコートの男をアクセル全開で轢いたのだ! 自動車はその男に激突したまま家の玄関にまでぶつかり玄関は完全に崩壊し崩れ去っていく。自動車もクラッシュしたせいで煙を上げて壊れてしまっている。その瓦礫と自動車に挟まれ、レインコートの男はぴくりとも動かなくなってしまっていた。 ぼくは唖然としながらもその自動車に近づいていく。 その運転席にはフロントガラスに頭をぶつけ、大量の血を流しながらも、にやりと笑っている龍之介の姿があった。 「お、お前何してんだよ……」 龍之介は腹にナイフが刺さったままで、激突の衝撃で左腕が折れたらしく、ぷらんぷらんと揺れていた。 「へへ、あの後すぐに起き上がって、自動車盗んできたんだよ。最高だろ兄貴」 「ああ、お前は最高な弟だったよ。もう少しでぼくも轢かれるところだったけどな」 ぼくは呆れながらも、死にかけの弟に感謝をしていた。痛みを感じない龍之介は、二階から落とされようが腹を刺されようが自動車をクラッシュさせようが気絶しないのだろう。おかげでぼくたちは助かった。 一連の騒ぎを聞きつけ、辺りには野次馬が集まってきていた。誰かが通報したらしくパトカーや救急車の音が聞こえてくる。 これで事件は解決だ。 「兄貴。俺もう限界かも。さすがに血を流しすぎて目の前が暗くなってきた……。犯人の正体教えてくれよ。気になって熟睡できねーぜ」 龍之介の言葉を聞いて、ぼくはゆっくりと自動車と瓦礫に挟まれているレインコートの男のところへと向かう。 さすが異能者だけあって、かすかに呼吸をしていて気絶はしているものの死んではいないようだった。 ぼくはその男のマスクとフードを思い切り引きはがす。 その素顔を見て龍之介も驚いていた。 「レインコートの男の正体は、奥瀬裕也だ」 解決編その2へすすむ トップに戻る 作品保管庫に戻る
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[トップページ] > アイテム> [接近武器] > [接近武器の画像] 接近武器一覧 メリット硬直時間が短い(平均して遠隔武器の半分程度) 遠隔武器に比べて軽い。 一定の確率で通常の栗(=会心・痛恨の一撃)が出る。 デメリット遠隔武器の攻撃に対して反撃できない(カウンターも同様) 相手選択武器が遠隔の場合、必ず後手になる。 ハーレーの攻撃力修正(8→7) -- wiki (2009-01-04 19 56 21) セグウェイ追加 -- wiki (2009-01-09 22 18 37) 追加アイテムをメンテ(ぼろぼろの剣を除く) -- wiki (2009-09-22 12 47 33) 名前 コメント メモ スタン長 > 中 > 短 > なし 栗率A > B > C > なし メモレ=チェック済み (私の転記ミスなどがあるため再確認中) 画像 名前 種類 攻撃 重さ スタン 栗率 備考 ■ うまい棒 鈍器 1 1 C ■ 十手 鈍器 1 2 C ■ ネギ(武器) 鈍器 1 2 C ■ 新聞紙 鈍器 1 1 C ■ ピコピコハンマー 鈍器 1 2 長 C ■ 大阪名物はりせんチョップ 鈍器 1 2 長 C ピコハンと同じ ■ スプーン 鋭利 1 1 A ■ HBの鉛筆 鋭利 1 1 A 一撃死の特殊栗 ■ ローソク 悶絶 1 2 B ■ ウンコ 悶絶 1 7 A ■ セグウェイ 車 1 0 移動硬直が短く ■ ボクシンググローブ 鈍器 2 3 C ■ バールのようなもの 鈍器 2 3 C ■ 分厚いハードカバーの小説 鈍器 2 4 B ■ プッチャン 鈍器 2 3 B 台詞付の特殊栗 ■ バタフライナイフ 刃物 2 3 B ■ ブッシュナイフ 刃物 2 3 B ■ アイスピック 鋭利 2 3 A ■ ドリル 鋭利 2 3 A ■ 庭師の鋏 鋭利 2 5 B ■ 荒縄 悶絶 2 3 B ■ ムチ 悶絶 2 2 B ■ 三角木馬 悶絶 2 6 B ( 0 *) ■ 天使のKiss 悩殺 2 0 A 2種類の特殊栗 ■ 木刀 鈍器 3 4 C ■ 金属バット 鈍器 3 5 C ■ 釘バット 鈍器 3 5 B ■ ギター 鈍器 3 5 B ■ ナタ 刃物 3 5 B ■ サバイバルナイフ 刃物 3 5 B ■ スタンガン 電撃 3 5 短 B スタン率は高い ■ 斧 刃物 4 7 B ■ トンファー 鈍器 4 5 C ■ ヒートロッド ? 4 ? ? ■ ビームサーベル 刃物 4 6 B ■ 日本刀 刃物 5 8 B ■ 贄殿遮那 刃物 5 8 B ■ カマ 首切断 5 5 A ■ 槍 鋭利 5 10 A ■ ハンマー 鈍器 5 15 B 強い ■ 斬鉄剣 刃物 6 8 A ■ アイスソード 凍死 6 6 ? ■ 大鎌 首切断 6 10 A ■ ハーレーダビットソン 車 7 0 移動硬直が短く ■ ガラスの剣 刃物 8 8 B 耐久★ ■ べんつ 車 15 0 最強 無 アレ 悶絶 -50 54 最凶 @ ぼろぼろの剣 エクスかリバー的なもの 123 ? ★1 ぼろぼろの剣の特殊栗 ぼろぼろの剣はエクスカリバーだった! まばゆい光とともに輝きをとりもどす! ”エクスカリバー!!” 画像栗 アンヘルはリュウに天使のKissで襲いかかった! アンヘルはリュウのほほにそっと口付けした! しかしリュウにかすり傷ひとつつけることができない!
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SF編 ブロント編 SF編 (ちょことネ実にはハイブラウやもw) いちお念のため ハゲ様達とここは直接の関係はありません。 ここの中の人が勝手にハゲ様たちを応援してるだけ。 ハゲ様達の公式まとめサイトはここですよん。 http //www21.atwiki.jp/suterusuw_t/ こんな夜更けに、群馬県*****にGTOを走らせるのは誰だろう。 それはTatsuya兄と脳内弟だ。兄はおびえる弟をひしと抱きかかえている。 Tatsuya「弟よ、何いきなり変顔をしてるんだw?」 Tatsuya「兄さんにはキレた裏LSメンが見えないの。」 Tatsuya「俺は夜勤が忙しくて見えない」 ハゲ「Tatsuyaかわいいな、ネ実においで。シャウトもしてやろう。」 Tatsuya「兄さん、兄さん!きこえないの。ハゲガルがぼくになにかいうよ。」 Tatsuya「フレのGMを特殊ステルスで配備したからw」 ハゲ「まとめサイトも用意したよ」 Tatsuya「お父さん、お父さん!見えないの、シャウトでURLが!」 Sonicflash「久しぶりに復帰しましたw」 ブロント「Tatsuya。お前の低能っぷりがたまらない。畏怖鯖にでもついてゆく!」 Tatsuya「兄さん、兄さん!ハゲガルがぼくをつかまえる!ハゲガルがぼくを晒す!」 Sonicflashはぎょっとして、GTOを全速力で疾走させた。あえぐ弟を両腕に抱え近所の近く弁護士に相談すると・・・ 時既に時間切れ、ダークパワーっぽいのを持ったTatsuyaはすでに頭おかしくなって死んでいた。 途中で秋田 ブロント編 こんな夜更けに、闇と風の中に馬を走らせるのは誰だろう。 それは父と子だ。父はおびえる子をひしと抱きかかえている。 父 「息子よ、何いきなり顔を隠しててるわけ?」 子 「お父さんにはブロントさんが見えないの。グラットン持って、黄金の鉄の鎧を着ている・・・」 父 「あれはたなびく霧であることが確定的に明らか」 ブロント「ほうお前かわいいな、一緒においで。ジュースをおごってやろう。」 子 「お父さん、お父さん!きこえないの。ブロントさんがぼくになにかいうよ。」 父 「おい、ブロントの名前出すのはよそうぜ。ここは枯葉のざわめきをを語るスレだろ」 ブロント「ウザイなおまえケンカ売ってるのか?枯葉とか言ってる時点で相手にならないことは証明されたな。マジでかなぐり捨てンぞ?おれパンチングマシンで100とか普通に出すし 」 子 「お父さん、お父さん!見えないの、あの暗いところにパンチングマシンが!」 父 「パンチングマシンは関係ないだろ。本人に聞いたけど、あれは古いしだれ柳の幹だと言っていた。」 ブロント「ほう経験が生きたな、坊や。お前の美しい姿がたまらない。力づくでもつれてゆく!本当につよいやつは強さを口で説明したりはしないからな」 子 「おとうさん、おとうさん!ブロントさんがぼくをつかまえる!ブロントさんがぼくに牙をむく!」 ブロント「それほどでもない」 父親はぎょっとして、馬をカカッと全速力で全力疾走させた。あえぐ子供を両腕に抱え、とんずらを使って普通ならまだ着かない時間できょうきょ館に到着すると・・・ 時既に時間切れ、ダークパワーっぽいのを持った子はすでに頭おかしくなって死んでいた。
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あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ・を・ん英数字 あ行 か行 さ行 悟志の金属バット@ひぐらしのなく頃にシリーズ 参加者の北条沙都子の兄、北条悟志がかつて使っていたバット。 前原圭一に支給。触れた瞬間、ある記憶がよみがえるも気合で抑えた。すごい。(コンマイ感) 3DO@現実 いろんな意味で伝説のゲーム機。空条承太郎に支給。 他にもさまざまな伝説のゲーム機が支給された。 た行 な行 は行 パッキー@ティンクル☆くるせいだーす 魔王の腹心中の腹心にして古からの叡智を深く蓄えた、魔界の大賢者……を自称する、しゃべって動いて食事やゲームまでする「パンダのデフォルメぬいぐるみ」。咲良シンのアパートに行方知れずだったシンの父から送りつけられ、そのシンの父が実は魔王(=シンが魔王の息子で次期魔王)である事を告げたり、魔界の七大魔将からも「大賢者」と呼ばれたりするあたりその経歴は真実の模様。 知識や経験・知恵は確かだが性根やノリは非常に軽く、おっぱい星人。魔力で作った野球ボールをバットで打ち出してぶつける必殺技「百八式波動弾」は、大天使や魔将クラスでも無視できない威力を誇る。 このロワでは支給品として呼び込まれて、その過程でかなり衰弱して水晶洞窟に打ち捨てられていたが、シンや聖沙と合流したことで奮起。綾音の突発的な裏切りやそれに伴うシンの暴走をスケベな奇策で一まとめに終息させ、その後は主であるシンやその幼馴染であるナナカ、クルセイダースの仲間である聖沙についていき、ブレーンとして支え続けた。 バナナの皮@マリオシリーズ 『マリオカート』でお馴染みのアイテム。これ、マジで踏むとすごく滑ります(経験者の声) 夕霧ナナカに支給。ゴミと思って捨てられ、その捨てた先にはスぺランカーが……結果は御察し ひのきのぼう@ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁 主人公の初期装備でお馴染み。博麗霊夢に支給。 「ドラゴンキラーが欲しかったんだけど……」 と、言いつつもそれなりに使っていた様子 ま行 メイド服(下着つき)@ひぐらしのなく頃にシリーズ 説明不要。コナミ君に支給。 結構サイズぴったりだった模様。その時の支援絵が大量投下された際は軽く祭りになった や行 洋菓子詰め合わせセット@ティンクル☆くるせいだーず 夕霧ナナカが太鼓判を押す、洋菓子店のケーキ等が詰め合わせてある。 黒羽紗雪に支給。どこからかにおいをかぎつけた、ナナカとのティータイムイベントは中盤の癒しです。 ら行 わ・を・ん 英数字
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ミチが店をあがったのは朝の4時を過ぎた頃だった。「お待たせ。じゃ、行きましょ。」 明るいとこで顔を見ると、すごく綺麗な顔をしてる。ヘタな女よりずっと。それは崔も感じてたらしい。見つめられると目を反らしてた。 「何、私が可愛くて見とれてた?」 ミチがいたずらっぽく笑った。可愛い。アレさえついてなけりゃって思ったのは俺だけじゃないはず。 「あの人の彼氏は忠志って奴で、ヤクザみたいな事やってるんだ。いまの時間ならきっとアパートにいると思うよ。」 「おい、崔!やり過ぎんなよ。」 俺は崔に釘をさした。キレると見境なくなりそーだからな。アパートの前に着くとミチが鍵を出した。 「これ、合鍵だから。あの2階の部屋。」 「ってかなんでこんなもん持ってんだよ!母ちゃんの彼氏だろ?一緒に暮らしてたのかよ?」 「だって元々は私の彼氏だもん。あの人に取られたけど。」 …この親子は狂ってる。ダメだ、早く何とかしないと。 「じゃー行くか。お前はここで待ってろ。」 崔はそー言うとミチの手に手錠をかけて車のミラーに繋いだ。 「…まだ信用してないみたいだね。逃げたりなんかしないのに。」 崔と俺は何も言わず部屋の前に向かう。鍵穴に預かった鍵を差し込む。入った。俺はそのまま回して。ガチャリと言う音と共に俺達は部屋のなだれこむ。崔は素手で俺は金属バットを持ってた。 急な訪問者に家主は飛び起きた。でも流石に寝起きで2対1じゃ応戦できない。忠志の事は崔に任せて俺は家捜しを始めた。ビンゴだ。押入れの中に400万入った紙袋を見つけた。 「おい、崔、持ち逃げされた組の金っていくらだ?」 「たしか700ちょっとだ。見つかったか?」 「とりあえず400ぐらいは。後はソイツに聞けばいい。」 「こっちも終わった。のびてるよ。」 俺と崔は忠志の事を風呂に引きずって行った。
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25話 バカには死んでもわからない 「うああああああああああああああああ! 迷った―――――――――――――――!!」 E-4ではあるんだが…吉井明久はわかるはずもない なぜなら「バカ」だからだ 「クソ…姫路さんを探さないといけないのに…」 「誰かぁぁぁぁぁぁ!ここがどこか教えてぇぇぇ!!」 ―――――――――――――――――――――――――――― 「こんなところで叫ぶとはよっぽどのバカだね…」 「そうだ、こいつは一番バカな死因にしてやろう…」 そういい出来杉英才は吉井明久の所へ向かった 「すみませんちょっといいですか?」 「え?ああ!丁度よかった!ここがどこか…」 「ここはE-4ですさっきからの声は聞こえてました」 「あ、そうだったの?でも助かった―…ありがとうね!」 「で…ひとつ聞きたいんですが…」 「あなたは乗っていませんよね?」 「あたりまえじゃないか!ここには好きな人もいるのに…」 「じゃあ、協力しません?多いに越したことはありません」 「そうだね!じゃあいこ…」 『あーあー…聞こえるか?俺の名前は箱庭学園生徒会執行部庶務の人吉善吉だ! 俺は今E-2ってところの住宅街にいる…………」 「丁度いいな!よし、出来杉君E-2に行こう…」 バン! 「出来杉・・・く・・・ん?」 「ハハハハハ!ざまあないね!簡単に人を信じるから!」 「う…そ……」 (姫路…さ…ぁ…) 「ハハハハハハハハハハ愉快だ!愉快だ! バカが僕に勝てるわけない! ハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!」 【一日目/昼/E-4】 【出来杉英才@ドラえもん】 [状態]ハイ [装備]オートマグナム(3/7)予備弾21発 [所持品]基本支給品×5、不明支給品1~5、金属バット、両刃ナイフ [思考・行動] 基本:僕より劣る奴は皆殺し 1:友人でも容赦しない 2:E-2に向かってみるか… 【吉井明久@バカとテストと召喚獣 死亡】 愛VS狂人 時系列順 友の決意(トモノケツイ) 愛VS狂人 投下順 友の決意(トモノケツイ) バカと妖怪ととある少女 吉井明久 死亡 Nightmare 出来杉英才 決意は天才を超える
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ダフトパンク!!(DAFT PUNK!!) 時雨ナミタ ■キャラクター名:時雨ナミタ ■ヨミ:しぐれなみた ■性別:男性 ■武器:無手 特殊能力『涙を飲んで生きる/Summer Rain Diver』 触れたものに『吸水性』を与える能力。 能力を受けたものはスポンジのように液体を吸い込み水風船のように膨張、やがて自重を支えられなくなるとスライム化する。スライム化した生物は水を吸えば吸うほど自我が希釈されてしまう。 能力は近くにあれば任意で解除可能、スライム化した物体は能力解除時に元通りに再構築される。 設定 無職、18歳、身長164㎝。糸目で小柄、栗毛のミディアムショート、いつも泣いているので常に目尻が腫れている。 漆原トウマを尊敬している。 治安が悪い田舎の貧困家庭育ち、腰が低く臆病で筋金入りのネガティブ思考、しかしその実かなりの負けず嫌い。 喧嘩は弱い。 転んで倒れてばかりの時雨ナミタは、今度こそ顔をあげて前を向こうとしている。 漆原トウマ ■キャラクター名:漆原トウマ ■ヨミ:うるしばら とうま ■性別:男性 ■武器:金属バット 特殊能力『トップを狙え / Aim for the TOP』 『意思の無い運動』を血判に引き寄せる能力。 『意思の無い運動』には、落下物、投射物、生物の反射的行動や無意識の動作などが含まれる。そのため、生物の意識的な行動に対しては発動しない。効果範囲は半径20m。 血判はトウマの指と血を使って押したものに限られる。血判が複数存在した場合、機能するのはどれか一つのみであり、どれを機能させるかは任意で切り替えが可能。 設定 高校3年生、18歳、身長181㎝。気怠げな目に細身で長身、黒髪のセンター分けツーブロック、地味なラウンド型の黒眼鏡をかけ、田舎町の進学校に通う。 優秀なスポーツ選手の兄と厳格な家庭で育ち、大人しく品行方正で、真面目に頑張っている素朴な青年。 そんな人物像を押し付けられて育った。 スポーツはからっきしと自称しているが『プロのスポーツ選手』と比較して、が枕に付くので、実は結構動ける。 時雨ナミタを信頼している。 年齢割に達観していて冷静沈着。世の中の事をわかっている分、周囲に対しての諦めが先に出ることが多い。 喧嘩は強い。 いつも走り出す背中ばかり見送ってきた。今、漆原トウマも走り出そうとしている。 プロローグSS
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製作者:philo 白坂那璃香(しらさか・なりか) 性別:女 年齢:18歳 身長:176cm 体重:61kg 一人称:私 二人称:お前、目上には貴方 学年:聖乙女学園 高等部3年B組 所属:曼珠沙華 殺戮之道家の分家・白坂家の白坂切空の娘。無愛想でいつも退屈そうにしている。永遠之道雀夜のボディガードとして教育されており、雀夜の命令とあらば命すら惜しまない。 分家とはいえ生粋の殺戮之道の殺し屋であり、人間の命をとることを何とも思っていない。日頃は物静かだが、それは命令を待つ猛犬の大人しさであり、ひとたび雀夜の命が下れば、たちまち荒れ狂う猛獣と化す。 能力者ではないが、その体術と気性の荒さは大きな脅威となり、対立する銃を持った男5人を1人で皆殺しにしてのけたこともある。 不良グループ曼珠沙華のメンバーで、雀夜の直属の護衛。幹部ではないものの、怒らせると何をするかわからない危なさがあり、蛇蝎のように避けられている。 白坂那璃香 那璃香, なりか, 女性, 人間, AAAA, 160 特殊能力 切り払いLv1, 1, Lv2, 11, Lv3, 15, Lv4, 24 援護防御Lv2, 1 144, 144, 149, 147, 174, 155, 強気 SP, 50, ひらめき, 6, 集中, 11, 狙撃, 15, 隠れ身, 17, 威圧, 23, 奇襲, 30 02pilot_1603.bmp, -.mid 白坂那璃香 白坂那璃香, しらさかなりか, (人間(白坂那璃香専用)), 1, 2 陸, 4, M, 5000, 160 特殊能力 格闘武器=金属バット 4000, 190, 800, 90 BACA, 02pilot_16U.bmp 頚動脈切断, 800, 1, 1, +0, -, 50, 130, AAAA, -10, 即 剃刀, 1000, 1, 1, +10, -, -, -, AAAA, +5, 武貫L1 金属バット, 1200, 1, 1, +0, -, -, -, AAAA, +0, 武 滅多切り, 1400, 1, 1, +10, -, 30, 110, AAAA, +0, 武貫L1連L15 やばい銃, 1700, 1, 4, -10, 6, -, -, AABA, +0, 銃 フルスイング脳天殴打, 1900, 1, 1, -10, -, 40, 120, AAAA, +0, 武 白坂那璃香 回避, ………… 回避, フン 回避, ウゼェよ ダメージ小, あ? ダメージ小, 何だ……それ ダメージ小, お前……私に触れたな。 バッチィから死ねよ ダメージ小, カスが…… ダメージ中, ッ……野郎 ダメージ中, ……殺してやる ダメージ中, やってくれたな……高くつくぜ ダメージ中, ……楽に死ねると思うなよ ダメージ大, ……何だ、こりゃ ダメージ大, 殺す……絶対に ダメージ大, よくも……私にこんなことしやがって ダメージ大, お前も……こう、なる……んだ 破壊, ガハッ―――― 破壊, グエ……ェ 射程外, ………… 射程外, ……そっちか 射程外, あンのやろォウ!! 攻撃, 殺す 攻撃, 死ね 攻撃, ……さて、と。どう切り刻んでほしい? 攻撃, 面倒だ……とっとと終わらせてやる 攻撃, お前なんか、私にとってはブタ肉同然なんだよ 攻撃, あーあ……私に出会っちまったか 攻撃(対白坂綾香), 甘ェよ、お前は 攻撃(対白坂切香), 殺戮之道の切れ端がカタギになるだぁ……? ……ギャグだな 攻撃(対白坂雲州), ……多分死ぬな、こりゃ。ま、いいか…… 攻撃(対永遠之道鷹壱), こんな甘ちゃんが本家の跡取りとはなぁ……反吐が出るな 攻撃(対永遠之道鷹夜), てめェが死ねば、雀夜さんの天下だ。――死ね 攻撃(対祇夜咲良), まともな奴なんぞ必要ねえ。雀夜さんに必要なのは、役に立つ奴だけだ 攻撃(対祇夜咲良), 飯綱お嬢様の番犬か。ちょうどいい……雀夜さんに牙を剥く前に、用心のために殺処分しておくとするか 攻撃(対祇夜咲良), その能力は私にゃ役に立たねえ……そのド頭、このバットでかち割ってやるぜ 攻撃(対祇夜杏子), 鷹壱のぼんぼんのお守りか……お前も雀夜さんの邪魔者みてえだな? 攻撃(対祇夜杏子), 能力の強さも技術も悪くねえが……私をやるにはちと修業が足りねえな 攻撃(対祇夜杏子), 姉貴もろとも、脳天かち割ってやるぜ 攻撃(対祇夜山吹), ……雀夜さんを探る奴には、死んでもらう 攻撃(対祇夜山吹), 強靭な身体だろうと関係ねえ……ひき肉になるまでこのバットで叩き潰すだけだ 攻撃(対祇夜山吹), 残念だな、雀夜さんに逆らわなければ、祇夜家も絶えずに済んだのに! 攻撃(対祇夜秋雨), 小森さんの手を煩わすまでもねェ。私の手で……死ね 攻撃(対祇夜秋雨), 手の触れる位置まで私を近づけた時点で最期だと思いな。木っ端微塵の肉片にしてやるぜ 攻撃(対祇夜秋雨), さあ……そのしょっぱい念動力で私にどう立ち向かう? 攻撃(対マクシウス=ネーヴェルザーゲン), 再生能力ね……コンクリ詰めで海に沈めるか;いっそのことマリアナ海溝でも行くか? 雀夜さんの財力ならいけるぜ 攻撃(対ユリス・ネイチェル・オーウェンス), 殺しに美学もクソもねぇだろ。邪魔なゴミを片付けるだけだ 攻撃(対氷羅霧子), 女だけを狙う殺人鬼ね。雀夜さんや私を狙う恐れがあるなら、処分しておくか 攻撃(対上倉雅人), ヒーローごっこも程々にしとけよ……火傷しないうちになぁ? 攻撃(対リーゼアリア=デアフリンガー), 余計なことに首突っ込まなきゃ長生きできたものを…… 攻撃(対折瀬久遠), お前、なんかムカつくなァ――理由はねーけど、とりあえず死ね 攻撃(対高見沢秀一), 噂のガキ大将様のお出ましか。ごっこ遊びで済ましておけばいいものを、首突っ込むなら死ぬことになるぜ 攻撃(対高見沢和覇), 面白ぇ、私も甘くはねえ……カタギがいきがるとどうなるか教えてやるぜ 攻撃(対マリアベル=バーンシュタイン), 残念だな、それだけの腕と頭と家柄があれば雀夜さんの下で出世できたのに! 攻撃(対マリアベル=バーンシュタイン), 身分も地位もねえ幽霊なんぞより、生きた人間の方がよっぽど恐ろしい……それを今教えてやるぜ 攻撃(対高町風凪), ……曼珠沙華を嗅ぎ回る犬っころは、殺す 攻撃(対高町風凪), 犯すとか沈めるとかヌルいことは私は言わねえ……脳天かち砕いて肉にするだけだ 攻撃(対三沢顕徳), うちの下っ端が何人か世話んなっているみてえだが……私が出た以上、もうてめーの火遊びも仕舞えだ 攻撃(対三沢顕徳), 一刺しぐらいはサービスでやらせてやらぁ……。お代はその命で払ってくれや 攻撃(対永遠之道飯綱), てめえはここで始末する……親父にはよその組にやられたと伝えといてやるよ 攻撃(対永遠之道飯綱), ガキを犯したり殺したりするのが好きな変態も多いが、私にそういう趣味はねえ……何とも思わねえだけだ 攻撃(対黒崎浩三), 黒崎のぼんぼんか……ちと深入りしすぎちまったな 攻撃(対黒崎浩三), 再生能力を持っていようが関係ねえ……ひき肉になるまで殴り潰してやる 攻撃(対津軽野廉也), 雀夜さんの秩序に従わねえ馬鹿に生きる意味はねえ。……くたばれ、野良犬 攻撃(対津軽野廉也), 残念だな、雀夜さんの下についていれば肉にありつける機会もあったのによ! 攻撃(対西宮路顕子), 目立ちすぎたんだよ、てめえは。ここでくたばんな 攻撃(対西宮路顕子), 雉も鳴かずば撃たれまいに、か……名言だよなあ、そう思うだろ? 攻撃(対厳柳院志津乃), 西宮路のお嬢様に忠義立てして雀夜さんに歯向かうなら、てめえの頭をトマトにするだけだ 攻撃(対厳柳院志津乃), こんな業界で羽振りをきかせようとするからには、こうなることも覚悟しとくんだったなぁ? 攻撃(対阪口和馬), 金玉ブッ潰されてェか!! 攻撃(対佐々木憲吾), ご自慢のメットごと脳天かち砕いてやろーかァ? 攻撃(対佐々木憲吾), 本日の殺処分希望者はてめーか? 攻撃(対大黒志場), しっかり働け……エサはくれてやる 攻撃(対大黒志場), 今のお前じゃ自力じゃヤクは入手できねえ。たとえ腕があろうと、組織に逆らったらヤクは得られねえ……わかるな? 攻撃(対ラストトリガー), ……狂犬野郎が 攻撃(対ラストトリガー), たがの外れた犬に用はねぇ……殺処分だ 攻撃(対御蔵冴), 服を着た豚に用はない……そこをどけ 攻撃(対御蔵冴), せいぜい媚び上手になれよ? さもないと憂さ晴らしに殺されちまうからなあ 攻撃(対末蔵夕映), チッ、こうと知ってりゃとっとと殺しておくんだったぜ……! 攻撃(対末蔵夕映), 私に毒なんぞ盛れるもんか。その前に単純な暴力でぶち砕いてやる! 攻撃(対ライカ=ヴァイカー), 魔法だろうと構いやしねえ……バリアが壊れるまでバットでぶっ叩くだけだ 攻撃(対ライカ=ヴァイカー), エルフだろうと神様だろうと、雀夜さんの邪魔者は肉に変えるだけだぜ 攻撃(対ナターリヤ=ヴァレンチノヴナ=アランピエフ), そうか、てめえが雀夜さんの言ってた教会騎士か…… 攻撃(対ナターリヤ=ヴァレンチノヴナ=アランピエフ), ステクロと直接関わってるわけでもねえくせに首を突っ込んでくれたもんだなあ? 騎士様よぉ 攻撃(対ナターリヤ=ヴァレンチノヴナ=アランピエフ), 神の僕だろうと悪魔の手先だろうと知るか。雀夜さんの邪魔者はこのバットで叩き潰す! 白坂那璃香 頚動脈切断, 斬撃 頚動脈切断(命中), 斬撃;@戦闘アニメ_出血クリティカル 剃刀, 斬撃 金属バット, 鉄パイプ 滅多切り, 斬撃乱舞 滅多切り(命中), 斬撃乱舞;クリティカル斬撃 やばい銃, リボルバー フルスイング脳天殴打(準備), 鉄パイプ フルスイング脳天殴打(攻撃), 円弧斬撃 フルスイング脳天殴打(命中), 唐竹割り Crash.wav;液体噴射 指定アイコン パイロットとユニットのアイコンは凪波様の02pilot_1603.bmpと02pilot_16U.bmpを指定させていただきます。